本ページにはプロモーションが含まれる場合があります。
この記事でわかること
- 空き家になった実家を放置した場合に生じる具体的なリスクがわかる
- 売却・解体・賃貸・寄付・相続放棄など7つの処分方法の特徴と向き不向きの判断ができる
- 解体費用の間取り別の相場感と、処分にかかる税金・使える特例の全体像がわかる
- 相続発生から処分完了までに必要な手続きの順序と準備書類がわかる
- 親が元気なうちに家族で話し合っておくべきことが具体的にわかる
貴重品を先に探すのは、後から出てくると手続きをやり直すことになるためです。
空き家になった実家、放置する前に知っておきたいこと
実家が空き家になるきっかけは、多くの場合「親の死去による相続」か「親の老人ホーム入居・入院」のいずれかです。どちらの場合も、住む人がいなくなった家をどうするかという判断を、突然、限られた時間の中で迫られることになります。
結論から言うと、空き家は「決めるまでの期間」が長引くほど、税負担・修繕コスト・資産価値のすべてで不利になっていきます。売る・貸す・解体する・手放す、どの方向に進むにせよ、まずは「放置し続けるとどうなるか」を正しく知ることが最初の一歩です。この記事では、リスクの整理から処分方法の比較、費用・税金、そして相続発生前後の実務手順までを順番に解説します。
→つまり、今すぐ結論を出せなくても、まずは実家の現状(築年数・立地・権利関係)を把握し、家族で「いつまでに方針を決めるか」の期限だけでも決めておくことが重要です。
空き家となった実家を放置する5つのリスク
空き家を放置すると、主に次の5つのリスクが積み重なっていきます。①建物の老朽化による倒壊や部材の落下で近隣に損害を与え賠償責任を負う可能性、②固定資産税等の負担増、③雑草・害虫・臭気などによる近隣トラブル、④時間の経過とともに進む資産価値の低下、⑤不法侵入や放火など防犯面のリスクです。
これらは個別に発生するのではなく、連鎖して悪化する点に注意が必要です。たとえば手入れをしない期間が長引くほど売却時の解体・修繕コストがかさみ、資産価値も下がっていきます。→つまり、リスクを一つずつ潰すというより「放置する時間を最小化する」ことが最も効果的な対策になります。
税金が最大6倍になる「特定空家」とは
住宅が建っている土地は、固定資産税の「住宅用地の特例」により課税標準額が軽減されています。しかし、倒壊のおそれや衛生上有害な状態などにより自治体から「特定空家」に指定され、必要な措置を勧告されてもなお改善しない場合、この住宅用地特例の対象から除外されることがあります。
特例が外れると、更地と同水準の課税に戻るため、住宅用地としての軽減がなくなった分、税負担が大きく増える可能性があります。実際にどの程度の増加になるかは土地の面積や自治体の運用によって異なるため、詳細は総務省や各自治体の固定資産税に関するページで確認するのが確実です。→つまり、自治体から「特定空家」の通知や勧告が届いた時点で、放置せずに対応方針をすぐに決める必要があります。
維持管理にかかる年間コスト
空き家を保有し続ける限り、固定資産税・都市計画税に加えて、火災保険料、定期的な草刈りや通水・通風などの管理費用が毎年発生します。管理を専門業者に委託する場合はその委託料も加わります。具体的な年間費用の内訳・相場は下記の費用相場表のとおりで、間取りや立地によって差があります。
→つまり、「とりあえず様子を見る」という選択も、実質的には毎年一定のコストを払い続ける選択であることを踏まえたうえで判断することが大切です。
空き家となった実家の処分方法7選
実家の処分方法7つの内訳
- 仲介での売却
- 買取業者への売却
- 解体して売却
- 空き家バンクへの登録
- 賃貸・活用
- 自治体への寄付
- 相続放棄・国庫帰属制度
実家の処分方法は、大きく分けて「売る」「貸す」「手放す(無償譲渡・国庫帰属)」の3方向、具体的には7つの選択肢があります。どれが向いているかは、立地・築年数・家族の意向・かけられる予算によって変わります。まずは全体像を比較し、自分のケースに近いものから検討するのが効率的です。
①不動産仲介で売却する
不動産会社に買い手探しを依頼する一般的な売却方法です。市場価格に近い金額で売却できる可能性がある一方、買い手が見つかるまでに時間がかかることがあり、その間も維持管理費用がかかり続けます。立地が良く、建物の状態も比較的良好な実家に向いた方法です。→つまり、時間に余裕があり、少しでも高く売りたい場合にまず検討すべき選択肢です。
②不動産買取業者に依頼する
不動産会社自身が買主となるため、仲介に比べて短期間での現金化が可能です。ただし、再販や活用を見込んだ価格設定になるため、仲介での売却より価格が下がる傾向があります。遠方に住んでいて早く手放したい場合や、建物の傷みが大きく仲介での買い手が付きにくい場合に選ばれます。→つまり、「価格」より「スピードと確実性」を優先したい場合に向いた方法です。
③解体して更地にしてから売却する
老朽化が進み、そのままでは買い手が付きにくい「古家付き土地」の場合、解体して更地にすることで売却しやすくなることがあります。ただし解体費用が発生するため、土地の売却価格から解体費を差し引いても手元に残る金額があるかを事前に試算する必要があります。解体費用の目安は次の章の費用相場を参照してください。→つまり、解体するかどうかは「更地にした場合の売却見込み額」と「解体費用」を比較してから判断します。
④空き家バンクに登録する
自治体が運営する空き家バンクに物件情報を登録し、移住希望者などとのマッチングを図る制度です。地方の物件や、通常の不動産市場では買い手が見つかりにくい物件でも成約につながる可能性があります。ただし成約までの期間は自治体や地域の需要に左右されるため、確実性より「地域とのつながりを活かした売却・活用」を重視する場合に向いています。→つまり、都市部からのアクセスが悪い地方の実家は、仲介と並行して空き家バンクにも登録しておくのが有効です。
⑤賃貸・シェアハウスなどとして活用する
建物の状態が良ければ、賃貸住宅やシェアハウスとして貸し出し、家賃収入を得る選択肢もあります。ただしリフォームなどの初期投資が必要になることが多く、入居者が決まらない空室リスクや、賃貸管理の手間も発生します。収益化を目指す場合は、初期投資額と想定家賃収入を比較したうえで、賃貸経営に詳しい不動産会社に相談するのが安全です。→つまり、手元資金に余裕があり、長期的に資産として保有したい場合に検討する方法です。
⑥自治体・法人へ寄付する
自治体やNPO法人などに実家を寄付するという方法もありますが、実際には自治体側が受け入れを断るケースが少なくありません。老朽化した建物や、管理コストが見込まれる不動産は、寄付先にとっても負担になるためです。寄付が成立しやすいのは、立地が良く活用の見込みがある物件に限られる、と考えておく必要があります。→つまり、寄付は「最初の選択肢」ではなく、売却・活用が難しいと分かった後の選択肢の一つとして検討するのが現実的です。
⑦相続放棄・相続土地国庫帰属制度を活用する
実家を含む相続財産そのものを受け取りたくない場合は、家庭裁判所への相続放棄という手続きがあります。ただし相続放棄をしても、他の相続人が管理を始めるまでの間、一定の管理責任が残る場合がある点に注意が必要です。この点は民法上の規定に関わるため、個別の状況については弁護士に相談することをおすすめします。
また、一定の要件を満たす土地について、国が管理を引き取る「相続土地国庫帰属制度」も設けられています。制度の対象となる土地には条件があり、審査手数料や負担金が必要になるなど、無条件で手放せるわけではありません。制度の詳細や要件は法務省のウェブサイトで確認できます。→つまり、「誰も要らない実家」であっても、まずは相続放棄と国庫帰属制度それぞれの要件を確認してから進める必要があります。
実家の処分にかかる費用はどれくらい?間取り別の相場

実家の処分方法を選ぶうえで、費用の見通しは重要な判断材料になります。特に解体を伴う場合は、建物の構造や間取り、立地条件(重機が入れるか、隣地との距離など)によって費用が大きく異なります。下記の費用相場表のとおり、間取りが大きくなるほど解体費用も高くなる傾向があります。
| 間取り | 費用の目安 | 作業人数 | 作業時間 |
|---|---|---|---|
| 1R・1K・1DK | 30,000円〜120,000円 | 1〜2名 | 1〜3時間 |
| 1LDK・2DK | 70,000円〜200,000円 | 2〜3名 | 2〜5時間 |
| 2LDK・3DK | 120,000円〜350,000円 | 2〜4名 | 3〜8時間 |
| 3LDK・4DK | 170,000円〜500,000円 | 3〜5名 | 5時間〜1日 |
| 一軒家(4LDK以上) | 220,000円〜700,000円 | 4〜6名 | 1〜2日 |
解体費用に加えて、残置物(家財)の処分費用、境界確定のための測量費用が別途必要になることもあります。複数の解体業者から見積もりを取り、内訳を比較することが、想定外の追加費用を避けるための基本です。実家の中の遺品や家財の片付けについては、実家の片付けを業者に頼む前に|費用相場・選び方と依頼の流れで費用相場や業者選びのポイントを解説しています。→つまり、解体や売却の判断をする前に、まず家財の処分費用も含めた総額で見積もりを取ることが大切です。
実家を売却するときにかかる税金と使える特例
実家を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、その利益に対して所得税・住民税がかかります。ただし、一定の要件を満たす場合には税負担を軽くできる特例がいくつか用意されています。
代表的なものが、相続した空き家を売却した際に譲渡所得から一定額を控除できる「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」です。適用には、相続開始からの期間や耐震性、売却時期など細かな要件があります。また、相続した財産を一定期間内に売却した場合に、相続税額の一部を取得費に加算できる「取得費加算の特例」、相続税の計算段階で自宅の土地評価を軽減できる「小規模宅地等の特例」なども関係してきます。
これらの特例は要件が細かく、申告方法を誤ると適用を受けられないこともあります。一般的な制度概要は国税庁のウェブサイトで確認できますが、実際に適用できるかどうかは個々の事情によって異なるため、税理士に事前相談することを強くおすすめします。→つまり、売却を検討し始めた段階で、一度税理士に「自分のケースでどの特例が使えそうか」を確認しておくことが、後悔しないための近道です。
実家じまいの手順|相続発生から処分完了までの流れ
実家じまいの5ステップ
- 相続手続きを行う
- 実家の状況・遺品を調査する
- 家族で処分方針を話し合う
- 処分方法を決定し依頼先を選ぶ
- 売却・解体を実行する
実家の処分は、思いつきで進めると相続人間のトラブルや手続きの手戻りにつながりやすい作業です。一般的には、①相続手続き(遺産分割協議・名義変更)を行う、②実家の状況や残された遺品を調査する、③家族で処分方針を話し合う、④処分方法を決定し依頼先を選ぶ、⑤売却または解体を実行する、という順序で進めます。
遺品整理と生前整理では進め方や優先順位が異なるため、状況に応じた手順を確認しておくと手戻りが減ります。具体的な進め方は実家の片付けは何から始める?迷わない順番と書類の見落とし防止で詳しく解説しています。→つまり、名義変更前に処分方法を決めてしまうと後で契約し直しが必要になることもあるため、必ず①の相続手続きを先に済ませてから②以降に進むことが大切です。
処分前に必要な準備・書類
実家を売却・解体するには、まず不動産の名義を被相続人(亡くなった親)から相続人へ変更する相続登記が必要です。相続登記に必要な書類には、戸籍謄本一式、遺産分割協議書または遺言書、固定資産評価証明書などがあり、揃えるまでに時間がかかることがあります。
また、遺言書の有無を確認すること、隣地との境界が確定しているかを確認することも、売却時のトラブルを避けるうえで欠かせません。境界が未確定の場合は測量士による確定測量が必要になり、時間と費用がかかります。相続登記の具体的な手続きについては法務省のウェブサイトで案内されています。片付けの過程で見つかった売却できそうな家財の扱いについては実家の片付けで売れるものは?生前整理・遺品整理で損しないための仕分けリストと相続トラブル回避のポイントも参考になります。→つまり、処分方法を検討する前に、まず名義・境界・遺言書の3点を確認しておくことが手戻りを防ぎます。
【終活の視点】親が生きているうちにやっておきたい対策
実家の処分で家族が最も苦労するのは、親の意向を確認できないまま相続後に判断を迫られるケースです。親が元気なうちに、実家を将来どうしたいか(売る・誰かが住む・思い出として残したい等)を直接聞いておくことが、最大の予防策になります。
あわせて、財産や家財の棚卸し、権利証・登記関係書類の保管場所の共有、家族間での話し合いの機会を持つことも重要です。生前に売却や生前整理を進めておけば、相続発生後の手続きや家財整理の負担を大きく減らせます。進め方のコツは実家の片付けは何から始める?迷わない順番と書類の見落とし防止で紹介しています。→つまり、「親が元気なうちに、実家についての希望を一度言葉にしてもらう」ことが、後の家族間トラブルを防ぐ最も効果的な一手です。
処分方法の選び方チェックリスト
どの処分方法が向いているかは、次のような観点で確認すると判断しやすくなります。
- 立地が良く需要が見込める→仲介での売却をまず検討
- 早く現金化したい・遠方で管理できない→買取業者への売却を検討
- 建物の傷みが大きく買い手が付きにくい→解体して更地での売却を検討
- 地方で都市部からの需要が薄い→空き家バンクへの登録も並行して検討
- 資金に余裕があり長期保有できる→賃貸活用を検討
- 売却も活用も難しい→寄付・相続放棄・国庫帰属制度を検討
→つまり、まず「売れる見込みがあるかどうか」を不動産会社に査定してもらい、その結果次第で解体や制度活用に進むかを判断するのが、遠回りに見えて最も確実な進め方です。
よくある質問
Q. 売れない実家はどうすればいいですか。
A. まずは複数の不動産会社に査定を依頼し、売却が難しい理由(価格・立地・建物状態のどれか)を特定することが先決です。理由に応じて、解体して更地にする、買取業者に相談する、空き家バンクに登録する、といった次の一手を検討します。
Q. 相続放棄をすれば実家の管理から完全に解放されますか。
A. 相続放棄をしても、他の相続人や管理者が実際に管理を始めるまでの間、一定の管理責任が残る場合があります。詳細な扱いは民法の規定に関わるため、個別の状況については弁護士への相談をおすすめします。
Q. 実家の処分は誰に最初に相談すればよいですか。
A. 相続手続きが未了であれば司法書士や弁護士、売却の見込みを知りたい場合は不動産会社、税金面の心配があれば税理士など、悩みの内容によって相談先を分けるのが効率的です。
まとめ:空き家になった実家は先延ばしにせず動き出そう
空き家になった実家は、放置するほど税負担や維持コストが積み重なり、資産価値も下がっていく傾向があります。処分方法には売却・解体・賃貸・空き家バンク・寄付・相続放棄・国庫帰属制度といった選択肢があり、立地や建物の状態、家族の意向によって向き不向きが分かれます。
まずは相続登記など必要な手続きを済ませたうえで、不動産会社による査定を受け、家族で方針を話し合うことから始めましょう。可能であれば、親が元気なうちに実家の将来について話しておくことが、最も負担の少ない実家じまいにつながります。
出典一覧
- https://www.soumu.go.jp/
- https://www.mlit.go.jp/
- https://www.moj.go.jp/
- https://www.nta.go.jp/
- 国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
- 国税庁「No.3307 被相続人が老人ホーム等に入所していた場合 …」
- 法務省「相続土地国庫帰属制度について」
- 国税庁「建物の取壊し費用の所得税法上の取扱いについて」
- 国税庁「No.3255 譲渡費用となるもの」
- 本記事内の解体費用等の相場は当サイトによる整理であり、個別の見積もりは業者から取得することをおすすめします。



コメント